DIYや配管作業をしていると、「このネジ、どっちだ?」って迷うこと、ありませんか。特に平行ネジとテーパーネジの見分け方って、一見するとすごく似ていて難しいですよね。
私も最初の頃は、オスネジとメスネジの形状の違いや、継手に刻印されているJIS規格の記号(GとかRとか)を見ても、正直ピンと来ませんでした。用途によって使い分ける必要があるのはなんとなく分かるんですが、シールテープやパッキン、袋ナットの有無で判断するのか、それともノギスか何かで測る必要があるのか…。
この記事では、そんな分かりにくい平行ネジとテーパーネジについて、どうやって見分ければいいのか、その具体的な方法や規格の違いを、私の経験も交えながら、できるだけ分かりやすくまとめてみました。
- 平行ネジとテーパーネジの基本的な形状と特徴がわかる
- JIS規格(G, R, PT, PF)などの記号の意味がわかる
- ノギスや外観で判断する具体的な見分け方がわかる
- シールテープやパッキンの使い分けがわかる
平行ネジとテーパーネジ 見分け方の基本

まずは基本からですね。この二つのネジがそもそもどういうもので、どんな違いがあるのか。ここを押さえておくと、後で説明する見分け方がグッと理解しやすくなると思います。それぞれの形状や規格の記号について、じっくり見ていきましょう。
- 平行ネジとは?その特徴と形状
- テーパーネジとは?円錐形の形状
- JIS規格における記号の違い
- G(PF)ネジとR(PT)ネジの概要
- オスネジとメスネジでの違い
平行ネジとは?その特徴と形状
平行ネジは、その名の通りネジ山が根元から先端までずっと平行になっているのが最大の特徴です。形状としては「円筒形」ですね。どこで測っても直径が同じ、まっすぐなストレート形状をしています。
この形状が意味するのは、ネジ山同士が接触するだけでは、水や空気の漏れを防ぐ「シール能力」を持たないということです。オスネジとメスネジを締め込んでも、ネジ山の間にはわずかな隙間が残ってしまいますからね。
じゃあどうやってシールするのかというと、ネジの先端や根元に設けられた平らな面(座面と呼ばれます)に、パッキンやOリングといったシール材を強く押し当てて、その圧力で漏れを防ぐ仕組みが一般的です。「面」でシールするイメージですね。
一番分かりやすい例が、水道の蛇口とフレキ管をつなぐ時かなと思います。フレキ管の端にある袋ナット(後で詳しく解説します)を締め込むと、中のパッキンが蛇口側の座面にギュッと押し付けられて水漏れを防ぎますよね。あの仕組みが平行ネジの典型的な使い方です。
平行ネジは、機械的な結合(部品を固定するだけ)や、今説明したようにパッキン類を使って確実にシールする部分、または頻繁に取り外す可能性がある部分に使われることが多いです。
テーパーネジとは?円錐形の形状
一方のテーパーネジは、形状がまったく違います。ネジ山が先端に向かって少しずつ細くなる「円錐形(テーパー)」になっています。JIS規格では、この勾配は1/16と決められています。つまり、軸方向に16mm進むと、直径が1mm小さくなる(半径だと0.5mm)という傾きですね。
オスネジ(外側のネジ)は先端が細く、メスネジ(内側のネジ)は入り口が広く、奥に行くほど細くなっています。
このテーパーのおかげで、ネジを締め込んでいくと、オスネジの山とメスネジの谷がどんどん強く食い込んで密着していきます。このネジ山同士の強力な食い込み(専門的には「ねじ山はめあい」と言うそうです)によって、高いシール性能を発揮するのが最大の特徴です。こちらは「ネジ山」でシールするイメージです。
だからこそ、水道管やガス管、高圧のエア配管みたいに、絶対に漏れが許されない配管そのものの接続によく使われています。
ただし、金属同士の接触だけだと、目に見えないミクロな隙間から漏れが発生する可能性があります。そのため、実際にはシールテープ(あの白いテープですね)をオスネジに巻いて、その隙間を完全に埋めて気密性や水密性を高めるのが一般的です。
JIS規格における記号の違い
この二つのネジを見分ける上で、もし記号が読めるなら、それが一番確実かもしれません。JIS(日本産業規格)では、配管に使われるネジ(管用ネジ)に明確な記号が決められています。
これが最初はちょっとややこしく感じるんですが、覚えてしまうと本当に便利ですよ。
JIS規格の詳細は、日本産業標準調査会(JISC)のウェブサイトで検索・閲覧が可能です。
主な記号をまとめたのが、この表です。
| ネジの種類 | 規格 | 記号 (JIS) | 通称など |
| 管用平行ネジ | JIS B 0202 | G | PFネジ (旧JIS) |
| 管用テーパーネジ (オス) | JIS B 0203 | R | PTネジ (旧JIS) |
| 管用テーパーネジ (メス) | JIS B 0203 | Rc | PTネジ (旧JIS) |
| 管用平行ネジ (メス) ※テーパーオス(R)と嵌合 | JIS B 0203 | Rp | (あまり一般的ではないかも) |
DIYで一番よく目にするのは、「G」「R」「Rc」の3つかなと思います。
ざっくりと、「G」が平行ネジ、「R」や「Rc」がテーパーネジと覚えておくと、ホームセンターで継手を選ぶ時や、現場での判別にすごく役立つと思います。
ちなみに「Rp」は、テーパーオスネジ(R)を受けるための「平行メスネジ」というちょっと特殊な規格です。水栓エルボなどで見かけますが、基本は「G=平行」「R/Rc=テーパー」で押さえておけば大丈夫かなと思います。
G(PF)ネジとR(PT)ネジの概要
さっきの表にも出てきましたけど、「PF」とか「PT」っていう呼び方を、ベテランの職人さんや古い資料で聞いたことありませんか?
これは旧JIS規格での呼び方が、今でも慣習的に使われているものですね。
- Gネジ = PFネジ (Pipe Fitting の略と言われています) → 管用平行ネジ
- Rネジ / Rcネジ = PTネジ (Pipe Taper の略) → 管用テーパーネジ
今でも現場では「PTのオス」とか「PFのメス」なんて呼び方が普通に使われることが多いので、G=PF (平行)、R/Rc=PT (テーパー) という関係性は、ぜひ覚えておくと便利です。
ちなみに、このJISの管用ネジ規格は、イギリスの規格(BSPP/BSPT)がベースになっているそうで、ネジ山の角度が55°なのが大きな特徴です。後でちょっと触れますが、アメリカのNPT規格(ネジ山60°)とは違うので、互換性がない点も注意が必要ですね。
オスネジとメスネジでの違い
見分け方として、あるいは正しい使い方として、オスネジ(外側のネジ)とメスネジ(内側のネジ)の「組み合わせ」も重要なヒントになります。
平行ネジ (G) の場合
基本中の基本は、オスネジ(G)とメスネジ(G)の組み合わせで使います。さっきも言ったように、ネジ山でのシールは期待できませんから、必ず接続部分の「面」にパッキンやOリングを挟み込んでシールします。
このタイプは、パッキンが劣化したら交換できるように、取り外しが前提になっていることが多いですね。
テーパーネジ (R, Rc) の場合
こっちはシール性が最優先なので、テーパーオスネジ(R)とテーパーメスネジ(Rc)を組み合わせるのが基本です。そして、オスネジ側にシールテープを巻いて、ネジ山同士をガッチリ食い込ませて締め込みます。
この組み合わせは、一度接続したら、そうそう取り外さないような恒久的な配管部分に使われます。
(さっき出てきた「Rp」を使って、R(オス)とRp(メス)を組み合わせることも規格上はありますが、DIYでは「RとRc」の組み合わせが圧倒的に多いと思います)
- 平行ネジ(G)は、平行(G)と組み合わせて、パッキンでシール。
- テーパーネジ(R)は、テーパー(Rc)と組み合わせて、シールテープでシール。
実践的な平行ネジとテーパーネジの見分け方
さて、基本的な違いがわかったところで、次は「じゃあ、目の前にあるこの記号も何も書いてないネジはどっちなの?」という、より実践的な見分け方を見ていきましょう。記号が刻印されてない部品や、古くて読めないことも多いですからね。いくつかのチェックポイントを紹介します。
- ノギスを使った簡単な見分け方
- シールテープやパッキンの有無で判別
- NPT規格とJIS規格の違い
- 用途から見分けるヒント
- 袋ナットの有無もチェック
- 平行ネジとテーパーネジ 見分け方の総括
ノギスを使った簡単な見分け方
もし手元にノギスがあれば、これが一番確実な「見た目」での判断方法かもしれません。

特にオスネジ(外ネジ)の場合、ネジ山の先端(一番細いところ)と根元(一番太いところ)の直径を測り比べてみるんです。測る場所は、ネジ山の頂上(一番外側の部分)ですね。
- 平行ネジ (G): 先端も根元も、ネジ山の直径がほぼ同じはずです。円筒形ですからね。
- テーパーネジ (R): 先端の方が根元よりも明らかに直径が細くなっています。1/16の勾配がついていれば、少しの長さでもノギスで測れば違いが分かるはずです。
メスネジ(内ネジ)の場合は、内径を測る必要がありますが、奥と手前で正確に測り比べるのは、ノギスの形状的にもちょっと難しいかもしれません…。なので、基本的にはオスネジ側で判断するのが簡単で確実ですね。
ノギスはDIYでも一つ持っていると本当に便利なので、まだ持っていない方にはおすすめです。使い方は別の記事でも紹介していますよ。
シールテープやパッキンの有無で判別
これは「どう使われていたか」あるいは「どう使うべきか」での判断になりますが、非常に有力なヒントです。シールの原理が全く違いますからね。
シールテープが巻いてある場合
もし、取り外したオスネジの山に、白いシールテープの残骸がこびりついていたら…それはほぼ100%「テーパーネジ」だと思って間違いないと思います。
テーパーネジは、さっきも言ったように「ネジ山」でシールします。シールテープは、そのネジ山のミクロな隙間を埋めて、シール性を完璧にするために使われますからね。
シールテープの巻き方にもコツがいるんです。下記サイトを参考に。
モノタロウ シールテープとは 役割と巻き方
パッキンやOリングが使われている場合
逆に、ネジの根元や先端の平らな面(座面)に、潰れたゴムや樹脂のパッキン、あるいはOリングが挟まっていたら、それは「平行ネジ」の可能性が非常に高いです。
平行ネジは「面」でシールしますから、このパッキンがシールの肝になります。
このシールの原理を間違えると、大変なことになります。
- 平行ネジにシールテープを巻いても、シールする「面」には届かないので、ほぼ意味がありません。パッキンを入れ忘れたら確実に漏れます。
- テーパーネジにパッキンを使おうとしても、そもそもパッキンを当てる「座面」がないことが多く、全くシールできません。
これはDIYで水回りを触る上で、本当に大事なポイントですね。
NPT規格とJIS規格の違い
これはちょっとマニアックな話になるかもしれませんが、知っておかないとハマる可能性のある「罠」みたいなものです。
日本国内で流通している配管部品は、ほとんどがJIS規格(PTネジ/PFネジ)なんですが、実はアメリカの規格である「NPT規格」 (National Pipe Taper) というのも存在するんです。
これもテーパーネジなんですが、JIS規格とは互換性がありません。
規格の主な違い
- JIS (R/G): ネジ山の角度が 55°
- NPT (アメリカ規格): ネジ山の角度が 60°
見た目は本当によく似ていて、ネジの呼び径(サイズ)が同じだと、手で回すと数山は入ってしまうんです。これが厄介で…。
でも、山の角度が違うので、それ以上は奥に入っていきません。それを「締め込みが足りないのかな?」と勘違いして、工具で無理やり締め込むと、確実にネジ山が壊れます(「かじる」と言います)。当然、シールもできません。
国内のホームセンターで普通に売っている水道管やガス管の継手はまずJIS規格ですが、海外製(特にアメリカ製)の工具や部品、例えばエアーコンプレッサーやエアツールの接続口(カプラー)なんかだと、NPT規格が使われていることが結構あります。
もし「あれ?なんか固いぞ?」と思ったら、無理をせず、規格が違う可能性を疑ってみてください。
用途から見分けるヒント
「そのネジがどこに使われているか」も、判断するための大きなヒントになります。それぞれのネジの「得意分野」が違いますからね。
テーパーネジ (R/Rc) が多い場所
一度接続したら、そうそう取り外さないような「配管そのもの」の部分や、高い圧力がかかる部分ですね。
- 壁の中や床下を通っている水道管やガス管(白ガス管など)の接続部
- エアーコンプレッサーから延びる、固定されたエアー配管の継手
- 圧力計などを取り付ける根元の部分
要は、恒久的な接続で、高いシール性が求められる場所です。
平行ネジ (G) が多い場所
逆に、パッキンの交換などで、将来的に取り外す可能性がある「機器との接続部」に多いです。
- 蛇口(水栓)の本体と、給水・給湯管(フレキ管や止水栓)との接続部
- シャワーホースとシャワーヘッド、または水栓本体との接続部
- 給湯器やエコキュートの配管接続ポート(Oリングでシールする場合など)
- 油圧機器のポート部
「パッキン交換」が想定される場所は、だいたい平行ネジかな、というイメージで考えると分かりやすいかもしれません。
袋ナットの有無もチェック

これは見た目で判断できる、かなり分かりやすいポイントですね。
「袋ナット」(フレキ管の端についているような、クルクルと空回りするナット)が使われている場合、その接続は「平行ネジ」です。
袋ナットの構造を考えてみると当たり前なんですが、あのナットは相手側のオスネジに締め込まれていくわけではありません。ナットを回す力で、ナットの内部にあるパッキンを、相手側の平らな面(座面)に押し付けるためだけに存在しています。
ネジ山自体でシールするテーパーネジでは、この「袋ナットでパッキンを押し付ける」という構造は使えませんからね。
洗面台の下の止水栓とフレキ管の接続部分なんかをよく観察してみると、この違いがよく分かると思います。
平行ネジとテーパーネジ 見分け方の総括
いやー、あらためてまとめてみると、ネジの世界も本当に奥が深いですね。私自身もいい勉強になりました。
最後に、平行ネジとテーパーネジの見分け方について、チェックリストとしてポイントをまとめてみます。
- 記号で確認: 継手や部品に刻印があれば最強。「G (PF)」なら平行。「R (PT)」や「Rc」ならテーパー。
- シール方法で確認: パッキンやOリング、袋ナットが使われていれば平行。シールテープが巻かれていればテーパー。
- ノギスで確認 (オスネジ): 先端と根元の直径が同じなら平行。先端が細ければテーパー。
- 用途で確認: 機器との接続部(取り外し・メンテあり)なら平行。配管そのもの(固定・恒久的)ならテーパー。
これらの点を複合的にチェックすれば、かなり高い確率で、目の前にあるネジがどちらなのかを見分けられるんじゃないかなと思います。
特にDIYで水回りやエア配管を触る上で、シール方法の違い(パッキンか、シールテープか)は、絶対に間違えられない最重要ポイントですね。ここを間違った組み合わせで接続してしまうと、後で必ず水漏れやエア漏れといったトラブルの原因になります。
安全のためのご注意:
この記事で紹介した内容は、あくまで一般的な見分け方の一例です。配管作業、特にガス管の取り扱いは、法律で有資格者しか作業してはいけないと定められています。絶対にDIYで行わないでください。
また、水道管や高圧のエア配管なども、接続に不備があると大きな事故につながる可能性があります。作業に少しでも不安がある場合や、規格がどうしても特定できない場合は、無理をせず専門の業者さんや、詳しい方に相談することを強くおすすめします。安全第一でDIYを楽しみたいですね。
今回の情報が、あなたの「これどっちだ?」という悩みを解決するヒントになれば嬉しいです。




















