ゴリラテープの剥がし方|跡を残さず綺麗に取るコツ

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The-best-way-to-remove 【締める・固定する】

 

「貼る」ことに関しては絶大な信頼を寄せられるゴリラテープ。その強力な粘着力は、DIYから専門的な補修作業まで、あらゆる場面で私たちの期待に応えてくれます。しかし、その強さの裏返しとして、「これを剥がす時が来たらどうなるのだろう?」という一抹の不安を抱く方も少なくありません。実際に「そもそもゴリラテープは剥がせますか?」という疑問は、多くの方が抱く共通のものです。

ゴリラテープは両面タイプも非常に強力で、その強度については様々な口コミでの評判が寄せられています。また、一見すると同じように見えるラインナップの中にも、デザイン性を損なわない透明なゴリラテープ クリスタルクリアとは一体どのような製品なのか、そして粘着力を最大限に活かすための正しいゴリラテープの使い方とは何か、知っておくべき点は多岐にわたります。

しかし、どんなに強力なテープでも、使い方を誤れば「なぜゴリラテープが剥がれることがある?」という予期せぬ事態に直面します。そして、いざ剥がす段階になると、基本的な超強力テープの剥がし方はもちろんのこと、特に神経を使うデリケートな壁紙を傷つけないゴリラテープの剥がし方、作業後に残りがちなゴリラテープの剥がし跡とベタベタ対策、さらには頑固なテープの糊残りはどうやって落とすのか、という次から次へと現れる難題に頭を悩ませることになります。

この記事では、それら全ての疑問と不安を解消するため、ゴリラテープに関する包括的な知識と、誰でも実践できる具体的な剥がし方のテクニックを、最適なまとめとして提供します。

👍この記事でわかること
  • ゴリラテープの基本的な性能と正しい使い方
  • 素材を傷つけないための具体的な剥がし方の手順
  • 剥がした後に残る跡やベタベタといったトラブルの解決策
  • 状況に応じた最適な剥がし方の選択肢

ゴリラテープの基本と正しい剥がし方の知識

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  • そもそもゴリラテープは剥がせますか?
  • ゴリラテープは両面も強力?その強度は?
  • ゴリラ 両面テープ 口コミでの評判は?
  • 透明なゴリラテープ クリスタルクリアとは
  • 粘着力を活かすゴリラテープ 使い方
  • なぜゴリラテープ 剥がれることがある?

そもそもゴリラテープは剥がせますか?

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結論から言うと、ゴリラテープは剥がすことが可能です。その圧倒的な粘着力から「一度貼ったら二度と剥がせない」というイメージを持たれがちですが、適切な知識と手順をもってのぞめば、安全に取り除くことができます。

剥がすことが可能な理由は、ゴリラテープに使われている「アクリル系感圧接着剤」の性質にあります。この接着剤は、熱を加えることで分子の結合が緩み、一時的に粘着力が低下する「熱可塑性」という特徴を持っています。そのため、剥がし作業における最も基本的で重要なアプローチが、ドライヤーなどを使ってテープ自体を物理的に温めることなのです。

しかし、ここで絶対に忘れてはならないのは、ゴリラテープが「恒久的な固定」を目的として設計されており、「綺麗に剥がすこと」を前提には作られていないという事実です。したがって、何の準備もなく力任せに引き剥がそうとすれば、ほぼ確実に貼り付けた面の塗装を剥がしたり、木材のささくれを誘発したり、最悪の場合は素材そのものを破壊してしまうリスクが伴います。

剥がす際の心構え

ゴリラテープを剥がす作業は、「修復作業」の一つと捉えることが大切です。「時間」「手間」「慎重さ」を惜しまない覚悟が、素材を守りながら綺麗に剥がしきるための鍵となります。焦りは禁物であり、丁寧な作業を心がける必要があります。

ゴリラテープは両面も強力?その強度は?

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ゴリラテープの製品ラインナップには、強力な両面テープも存在し、その接着力は片面タイプに引けを取らない、あるいは用途によってはそれ以上の性能を発揮します。一般的な文房具の両面テープとは比較にならないほどの強度を持ち、軽微なDIYから重量物の固定まで、幅広いニーズに対応できるよう設計されています。

この驚異的な強度の背景には、いくつかの技術的な要素があります。 一つは、厚みのある「アクリル系粘着剤」です。この粘着剤層が厚いことで、レンガやコンクリート、加工木材などのわずかにザラザラした表面(粗面)の凹凸にも粘着剤が深く入り込み、強力なアンカー効果を生み出します。これにより、接着面積を最大化し、強力な接着が実現します。 もう一つは、テープの芯材となる「アクリルフォーム基材」の柔軟性です。この基材がしなやかに変形することで、貼り付け面の形状に追従し、応力や振動を分散・吸収する役割を果たします。

具体的な強度の目安として、「ゴリラ 両面テープ ストロング」では、テープを5cm使用した場合に約450gの重さに耐えるとされています。これは500mlのペットボトル(約500g)に迫る重量を、わずか5cmのテープで支えられる計算になります。ただし、これはあくまで理想的な条件下での参考値です。実際の強度は、貼り付ける素材の種類、表面の状態、温度や湿度といった環境要因によって大きく変動します。そのため、特に重量物を固定する際には、表示されている耐荷重に十分な余裕を持たせた長さのテープを使用することが極めて重要です。

参考 : amazon.co.jp  ゴリラ 両面テープ ストロング

ゴリラ 両面テープ 口コミでの評判は?

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ゴリラ両面テープの性能を客観的に判断する上で、実際の使用者からの口コミは非常に参考になります。オンラインストアやレビューサイトを調査すると、その評価は大きく二極化している傾向が見られますが、大多数は製品の性能を高く評価しています。

ポジティブな口コミ

肯定的な意見の多くは、やはりその「接着力の強さ」と「耐久性」に集中しています。

  • 「車の外装パーツの固定に使用。洗車機に入れても全く剥がれる気配がない。」
  • 「浴室の壁にシャワーフックを固定したが、湿気で剥がれることなく2年以上使えている。」
  • 「コンクリートの壁に表札を貼り付けるのに使ったが、ガッチリ固定されて安心感がある。」

このように、屋外や水回りといった厳しい条件下での使用に耐えうる性能を評価する声が非常に多く、一度正しく接着できれば、その信頼性は極めて高いことが伺えます。

ネガティブな口コミと、その背景

一方で、「すぐに剥がれてしまった」「期待したほど強くなかった」といった否定的な意見も散見されます。しかし、これらの口コミを詳しく分析すると、製品の欠陥というよりも、使用方法に原因があるケースがほとんどです。

  • 「壁に貼ったポスターが落ちてきた。」→ 接着面(壁)のホコリや油分を清掃せずに使用した可能性。
  • 「車のダッシュボードに付けたスマホホルダーが剥がれた。」→ 夏場の高温で粘着剤が軟化しすぎた、またはシボ加工された凹凸の激しい面に使用した可能性。

参考 : ウィキペデイア  シボ加工

口コミから学ぶ、失敗しないためのポイント

  • 徹底した脱脂と清掃: 貼り付ける前には、必ずアルコールなどで接着面を拭き、完全に乾燥させる。
  • 十分な圧着: 貼り付け後は、指やローラーで強く、時間をかけて押し付け、粘着剤をなじませる。
  • 素材の相性を確認: ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)、フッ素加工面など、接着できない素材には使用しない。
  • 環境を考慮: 極端な高温・低温下での使用は避け、メーカー推奨の温度範囲内で作業する。

これらのポイントを守ることで、ネガティブな口コミのような失敗を未然に防ぎ、ゴリラテープの性能を最大限に引き出すことができるでしょう。

透明なゴリラテープ クリスタルクリアとは

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「ゴリラ 両面テープ クリア」は、ゴリラテープシリーズの強力な接着性能はそのままに、「透明性」という付加価値を持たせた製品です。機能性だけでなく、仕上がりの美観も重視したいというニーズに応えるために開発されました。

最大の特長は、その名の通りクリスタルのような高い透明度です。テープの基材から粘着剤に至るまで、すべてが透明な素材で構成されているため、ガラスやアクリル板といった透明な素材同士の接着や、デザイン性のある壁面への小物固定などに使用しても、テープの存在がほとんど気になりません。これにより、インテリアの雰囲気を壊すことなく、強力な固定を実現できます。

さらに、屋外での使用を想定し、耐UV性にも配慮されている点が特筆されます。一般的な透明テープは、紫外線に長時間さらされると黄ばんでしまう(黄変)ことが多いですが、ゴリラテープクリアは黄変しにくい設計になっており、長期間にわたって透明感を維持します。

ただし、性能面で一点注意すべきは、耐荷重です。「ストロング」タイプが5cmあたり約450gの耐荷重目安であるのに対し、「クリア」タイプは約225gと、およそ半分になっています。そのため、ある程度の重量があるものを固定する際には、テープの使用量を増やすなどの工夫が必要です。

参考 : amazon.co.jp   ゴリラテープ クリスタルクリア

粘着力を活かすゴリラテープ 使い方

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ゴリラテープが持つポテンシャルを100%引き出し、長期間にわたって強力な接着を維持するためには、メーカーが推奨する正しい手順を忠実に守ることが何よりも重要です。このプロセスは「下準備」「貼り付け」「圧着」の3つのフェーズに分けられます。

STEP1: 徹底した下準備(脱脂と乾燥)

接着作業の成否の8割は、この下準備で決まると言っても過言ではありません。

  1. 表面の清掃: まず、貼り付ける面のホコリやゴミ、泥などの物理的な汚れを硬く絞った布などで拭き取ります。
  2. 脱脂: 次に、最も重要な工程である「脱脂」を行います。シリコンオフやイソプロピルアルコール(IPA)を清潔な布に染み込ませ、接着面を丁寧に拭き上げます。これにより、目には見えない油分や指紋、ワックス成分などを完全に取り除きます。アルコールがない場合は、中性洗剤で洗浄し、その後水拭きで洗剤成分を完全に除去する方法もあります。
  3. 完全な乾燥: 脱脂後は、表面が完全に乾くまで待ちます。ドライヤーの冷風などを使い、水分が一切残らない状態にしてください。

STEP2: 正確な貼り付け

下準備が完了したら、いよいよテープを貼り付けます。

  1. 縦方向に貼る: 固定したい物の裏側に、テープを「縦方向」にまっすぐ貼ります。重力がかかる方向に対して垂直に貼ることで、剥がれようとする力(せん断応力)に最も強く抵抗できます。
  2. 粘着面に触れない: テープの粘着面には、絶対に指で触れないでください。指紋や皮脂が付着すると、その部分の接着力が著しく低下します。剥離フィルムを剥がす際は、テープの角を少しつまんで伸ばすようにすると、フィルムが浮き上がりやすくなります。
  3. 一発で決める: ゴリラテープは貼り直しができません。一度剥がすと粘着力が低下するだけでなく、粘着剤が変形してしまうため、位置を慎重に定めてから一回で貼り付けるようにします。

STEP3: 強力かつ十分な圧着

テープを貼り付けただけでは、接着は完了していません。最後の「圧着」工程が、接着力を最大化させるために不可欠です。

  1. 強く押し付ける: 剥離フィルムを付けたままの状態で、テープ全体を指や硬いヘラ、ローラーなどで強く、均一に押し付けます。体重をかけるようなイメージで、最低でも30秒〜1分程度は圧力をかけ続けてください。
  2. 圧着の重要性: この圧着により、流動性のある粘着剤が相手の素材の微細な凹凸の奥深くまで浸透し、接着面積が飛躍的に増大します。これが「アンカー効果」であり、強力な接着力の源泉となります。圧着が不十分だと、テープは表面に「乗っている」だけの状態になり、簡単に剥がれてしまいます。
  3. 貼り付け後の養生: 最終的な接着先に貼り付けた後も、同様に強く圧着します。メーカーによれば、粘着力が最大に達するまでには約24時間かかるとされています。可能であれば、その間は大きな負荷をかけずに静置(養生)することが理想的です。

なぜゴリラテープ 剥がれることがある?

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これほど強力なゴリラテープでも、状況によっては剥がれてしまうことがあります。その原因はテープの性能にあるのではなく、ほぼ全てが「使い方」と「環境」に集約されます。剥がれの原因を正しく理解することで、失敗を未然に防ぐことができます。

原因1:接着面の下準備不足

これは最も頻繁に見られる失敗の原因です。見た目には綺麗に見える面でも、目に見えないホコリ、湿気、油分(シリコンやワックス成分を含む)が付着していることは少なくありません。テープは素材ではなく、これらの「汚れの層」の上に貼り付くことになり、汚れが剥がれればテープも一緒に剥がれてしまいます。前述の通り、アルコールなどによる徹底した脱脂と完全な乾燥が、接着の絶対条件です。

原因2:素材・場所との相性

ゴリラテープは多くの素材に対応しますが、万能ではありません。以下のような素材や場所では、本来の性能を発揮できずに剥がれてしまう可能性が非常に高いです。

ゴリラテープが接着できない、または適さない素材・場所

  • 難接着プラスチック: ポリエチレン (PE)、ポリプロピレン (PP)
  • 特殊加工面: シリコーン樹脂加工、フッ素樹脂加工(テフロンなど)
  • もろく、剥がれやすい面: 壁紙(クロス)、砂壁、土壁、塗装が劣化している面
  • 常に力がかかる場所: 球体、極端な凹凸面
  • その他: 繊維、軟質ゴム、貴金属

これらの素材に貼り付けようとしても、粘着剤がなじまず、十分な接着力が得られません。

原因3:環境要因(温度・湿度)

接着剤の性能は、周囲の環境、特に「温度」に大きく左右されます。

  • 低温: 気温が10℃を下回るような低温環境では、粘着剤が硬化してしまい、素材の凹凸になじむための流動性が失われます。これにより、初期接着力が大幅に低下し、すぐに剥がれる原因となります。寒い時期の屋外作業では、ドライヤーなどで接着面とテープを人肌程度に温めてから作業する必要があります。
  • 高温: 逆に、直射日光が当たる場所や夏場の車内など、60℃を超えるような高温環境では、粘着剤が柔らかくなりすぎて接着力を維持できなくなることがあります。
  • 多湿: 湿気が多い場所では、接着面に結露による微細な水の膜ができ、接着を阻害します。

これらの原因を事前に把握し、適切な場所で正しい使い方をすることが、ゴリラテープとの長い付き合いの秘訣です。

実践!素材を傷めないゴリラテープの剥がし方

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  • 基本的な超強力テープの剥がし方は?
  • 壁紙を傷つけないゴリラテープの剥がし方
  • ゴリラテープの剥がし跡とベタベタ対策
  • テープの糊残りはどうやって落とすの?
  • まとめ:最適なゴリラテープの剥がし方

基本的な超強力テープの剥がし方は?

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ゴリラテープをはじめとする超強力両面テープを剥がす作業は、力任せではなく、科学的なアプローチが求められます。「熱で粘着力を弱め、道具を使って物理的に分離させる」というのが、素材へのダメージを最小限に抑えるための鉄則です。

STEP1: ドライヤーによる加熱

この工程は、剥がし作業全体の成功を左右する最も重要なステップです。

  • 目的: テープに使用されているアクリル系粘着剤を熱で軟化させ、接着力を意図的に低下させます。
  • 方法: 家庭用のドライヤーを用意し、温風モードに設定します。剥がしたいテープ全体に、5cm〜10cm程度の距離から均一に熱風を当て続けます。一点に集中させると素材を傷める可能性があるため、ドライヤーをゆっくりと左右に振りながら加熱するのがポイントです。
  • 時間の目安: テープの厚みや長さにもよりますが、最低でも1分〜3分程度は加熱を続けてください。触ってみて、テープ全体が「熱い」と感じるくらいが理想的です。熱に弱いプラスチック素材の場合は、温めすぎに注意し、こまめに状態を確認しながら行ってください。

STEP2: きっかけ作りと、ゆっくりとした剥離

粘着力が弱まったら、物理的に剥がしていきます。

  • きっかけ作り: プラスチック製のヘラやスクレーパー、使わなくなったカードなど、素材を傷つけにくい道具を用意します。温めたテープの角に道具の先端を慎重に差し込み、テープを少しだけ浮き上がらせて「剥がすきっかけ」を作ります。カッターナイフの刃先を使う場合は、下地を傷つけないよう細心の注意が必要です。
  • 剥がす角度と速度: 指でつまめる部分ができたら、そこをしっかりと持ちます。そして、壁や床などの貼り付け面に対して「180度に近い角度」、つまり真横に引っ張るようなイメージで、非常にゆっくりとした速度で剥がしていきます。上に引っ張ると素材ごと剥がしてしまうリスクが高まります。
  • 再加熱: 剥がしている途中で抵抗が強くなったり、テープが冷えて硬くなってきたと感じたら、無理をせずに一旦作業を止め、再度ドライヤーで加熱してください。「温める→剥がす」のサイクルを繰り返すことが、安全な作業の秘訣です。

STEP3: 釣り糸やテグスの活用

テープと素材の間にわずかな隙間ができた場合、この方法は非常に有効です。

  • 方法: 丈夫な釣り糸(テグス)やデンタルフロスを、テープと素材の隙間に通します。両端をしっかりと持ち、のこぎりで木を切るように左右にギコギコと動かしながら、粘着剤を切り裂いていきます。
  • 利点: この方法は、素材に直接的なダメージを与えることなく、粘着層だけを綺麗に分離させることができます。特に、車のエンブレムや外装パーツなど、デリケートな塗装面からテープを剥がす際にプロも用いるテクニックです。

各種剥がし方の比較表

剥がし方対象素材メリットデメリット・注意点
ドライヤー金属、ガラス、木材、プラスチック全般最も基本的で安全性が高い。素材へのダメージが少ない。熱に弱い素材(一部のプラスチック、塗装面)には注意が必要。時間がかかる。
シール剥がし剤金属、ガラス、陶器頑固な糊残りに効果絶大。作業時間が短い。プラスチックや塗装を溶かす可能性がある。素材の相性確認が必須。要換気。
お酢・中性洗剤ガラス、陶器、一部のプラスチック家庭にあるもので手軽に試せる。安全性が高い。効果は比較的マイルド。金属への使用は錆のリスク。紙や木材には使えない。

壁紙を傷つけないゴリラテープの剥がし方

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壁紙(ビニールクロス)は、表面が薄いビニール層、中間が紙層という構造になっており、非常にデリケートです。ゴリラテープのような強力なテープを剥がす作業は、本来であれば避けるべきですが、やむを得ない場合は最大限の注意を払う必要があります。

成功の鍵は、ここでも「熱」と「時間」です。

  1. 極めて慎重な加熱: ドライヤーの温風を「弱」設定にし、壁から20cm以上離した位置から、広範囲に熱を当てるようにします。壁紙が熱で変形したり、接着剤が溶け出したりしないよう、一箇所に集中させず、常にドライヤーを動かし続けます。加熱時間は通常より長く、5分以上かけてじっくりと、壁紙の奥にあるテープの粘着剤まで熱が伝わるのを待ちます。
  2. 剥がす角度が最重要: テープの端にきっかけを作ったら、壁紙の表面に沿わせるように、180度の角度で折り返すようにして剥がしていきます。絶対に、壁から垂直に引っ張ってはいけません。壁紙の表面を「なでる」ように、ミリ単位でゆっくりと剥がすのが唯一の方法です。
  3. 異変を感じたら即中断: 剥がしている最中に、少しでも壁紙が浮き上がったり、表面が伸びたり、シワが寄ったりする兆候が見えたら、それは危険信号です。すぐにその方向への力を止め、逆側から試したり、再度加熱し直したりしてください。

壁紙の剥離作業で絶対にしてはいけないこと

  • 溶剤の使用: シール剥がし剤やアルコール、ベンジンなどの溶剤は絶対に使用しないでください。壁紙に染み込み、ほぼ確実にシミや変色、変質を引き起こします。
  • 鋭利な道具の使用: カッターナイフや金属製のヘラでこじ開けようとすると、簡単に壁紙を突き破ってしまいます。使用するとしても、プラスチック製の柔らかいヘラを慎重に使う程度に留めてください。
  • 焦ること: 壁紙の剥離は、数センチ進めるのに数分かかることもあります。時間と根気の勝負だと割り切り、焦らず丁寧に進めることが、結果的に被害を最小限に抑えることに繋がります。

万が一、糊が残ってしまった場合は、後述する消しゴムや中性洗剤を薄めた液を布に固く絞って軽く叩く方法を試しますが、これも変色のリスクがあるため、自己責任で目立たない場所でテストしてから行ってください。

ゴリラテープの剥がし跡とベタベタ対策

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テープ本体は剥がせたものの、粘着剤の一部が素材の表面に残り、ホコリを吸い寄せて黒ずんでしまう「ベタベタした剥がし跡」。この不快な残留物を、素材を傷めずに綺麗に取り除くための効果的な方法を3つ紹介します。

方法1:中性洗剤で粘着力を無効化する

耐水性のあるガラス、金属、陶器、プラスチックなどに有効な方法です。

  1. 準備: 食器用の中性洗剤と、食品用ラップ、プラスチック製のヘラやカードを用意します。
  2. 塗布と湿布: ベタベタが残っている箇所に、中性洗剤を原液のまま直接、少し多めに塗布します。
  3. 浸透: 洗剤が乾燥しないように、上から食品用ラップをぴったりと貼り付け、15分〜30分程度放置します。これにより、洗剤に含まれる界面活性剤成分が粘着剤の分子構造に浸透し、粘着力を弱めてくれます。
  4. 除去: 時間が経ったらラップを剥がし、ヘラやカードを使って、浮き上がった粘着剤を優しくこそげ取ります。
  5. 仕上げ: 最後に、洗剤成分が残らないようにお湯で濡らした布で綺麗に拭き取り、乾いた布で仕上げます。

方法2:消しゴムで絡め取る

塗装面や木材、紙類など、液体を使いたくないデリケートな素材に最適な、最も安全な方法です。

  1. 準備: 新品の綺麗な消しゴムを用意します。汚れた消しゴムを使うと、汚れを擦り付けてしまう可能性があります。
  2. 擦る: ベタベタした部分を、文字を消す要領で根気よく擦ります。最初は抵抗がありますが、続けているうちに粘着剤が消しカスに絡みつき、ポロポロとした塊になって剥がれ落ちていきます。
  3. 清掃: 出てきた消しカスと粘着剤の塊を綺麗に取り除けば完了です。範囲が広いと時間と労力がかかりますが、素材へのダメージリスクは最小限です。

方法3:新しいテープで転写させる

「毒をもって毒を制す」ならぬ、「粘着をもって粘着を制す」という考え方に基づいた方法です。

  1. 準備: 新しいゴリラテープ、またはガムテープなどの比較的粘着力が強いテープを用意します。
  2. 押して剥がす: 用意したテープの粘着面を、残っているベタベタに強く押し付けます。
  3. 素早く剥がす: その後、勢いよく一気に剥がします。これを繰り返すと、素材に残っていた粘着剤が、新しいテープの粘着面に転写されて少しずつ除去されていきます。
  4. ポイント: この方法は、ベタベタの粘着力がまだ残っている初期段階ほど効果的です。粘着剤が硬化してしまった後ではあまり効果は期待できません。

テープの糊残りはどうやって落とすの?

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剥がし跡のベタベタよりもさらに時間が経過し、硬化してしまった「糊残り」は、より強力な化学的なアプローチが必要になります。ただし、これらの方法は効果が高い反面、素材を傷めるリスクも高まるため、使用は慎重に行う必要があります。

方法1:専用のシール剥がし剤(粘着剤除去剤)

最も確実で効果的な方法です。ホームセンターなどで入手できます。

  • 作用: 主成分である有機溶剤(リモネン、ヘキサンなど)が、硬化したアクリル系粘着剤の分子構造を化学的に分解・溶解させます。
  • 使用手順:
    1. 必ず窓を開けるなどして、作業場所の換気を十分に確保します。
    2. 糊残りに直接スプレー、または液体を塗布します。
    3. 製品の指示に従い、数分間放置して溶剤を浸透させます。
    4. 溶けてドロドロになった糊を、プラスチック製のヘラでこそげ取り、乾いた布で拭き取ります。
    5. 最後に、溶剤成分が残らないように、水拭きやアルコール拭きで仕上げます。
  • 最重要注意点: 使用する前に、必ず目立たない場所(家具の裏側など)でパッチテストを行い、素材に変化(変色、変形、溶解)が起きないかを確認してください。特にABS樹脂などのプラスチックや、塗装面への使用は非常にリスクが高いです。

安全な作業のための注意喚起

シール剥がし剤は引火性の高い製品がほとんどです。作業中は火気厳禁です。また、成分を吸い込むと健康に害を及ぼす可能性があるため、マスクや保護メガネ、手袋の着用を推奨します。

参考 : amazon.co.jp 3M シールはがし クリーナー30 

(非常に強力なため、プラスチックや塗装面に使用する際は、目立たない場所で必ず試し塗りをして、下地を侵さないか確認してください。)

参考 : amazon.co.jp LOCTITE(ロックタイト) ハケ塗りシールはがし 

(こちらも非常に強力な溶剤です。素材によっては変質・変色・溶解の恐れがあるため、事前のテストは必須です。特にスチロール樹脂、ABS、アクリルなどには使用できません。)

参考 : amazon.co.jp AZ(エーゼット) 超強力ラベルはがし 雷神

(強力さゆえに、使用できる対象素材には十分な注意が必要です。塗装面や多くのプラスチックを侵す可能性が高いです。)

方法2:無水エタノールまたはイソプロピルアルコール(IPA)

シール剥がし剤ほど強力ではありませんが、比較的安全に使える溶剤です。

  • 作用: 粘着剤を完全に溶かすのではなく、軟化させて剥がしやすくする効果があります。
  • 使用手順: 清潔な布にエタノールをたっぷりと染み込ませ、糊残りの部分を湿布するように覆い、ラップをして蒸発を防ぎます。10分ほど放置した後、布で強く擦り取るようにして除去します。
  • 注意点: シール剥がし剤と同様に、ニス塗りの家具や一部のプラスチック、ゴム製品に使用すると表面を傷める可能性があります。パッチテストは必須です。

方法3:お酢(酢酸)

家庭にあるもので試せる最終手段ですが、効果は限定的です。

  • 作用: お酢に含まれる酢酸が、粘着剤のアルカリ成分を中和し、接着力を弱める効果が期待できます。
  • 使用手順: キッチンペーパーにお酢を染み込ませて糊残りに貼り付け、ラップで覆って30分〜1時間ほど放置します。その後、ヘラでこすり落とします。
  • 注意点: 大理石などの石材に使うと表面を溶かす可能性があり、鉄などの金属に使うと錆の原因になります。また、特有の酸っぱい匂いが残るため、作業後の拭き取りと換気が必要です。

まとめ:最適なゴリラテープの剥がし方

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この記事では、ゴリラテープの基本的な知識から、素材を傷めずに綺麗に剥がすための具体的な方法、そして厄介なトラブルへの対処法までを詳しく解説しました。最後に、重要なポイントを箇条書きでまとめます。

  • ゴリラテープは正しい手順を踏めば剥がすことが可能
  • 剥がす作業の基本はドライヤーで十分に温めること
  • テープは壁などに対して平行にゆっくりと引き剥がす
  • 力ずくで剥がすと素材を損傷させるリスクが高い
  • 貼り付け前の下準備が接着力を最大限に引き出す鍵
  • 汚れや油分はアルコールなどで完全に除去し乾燥させる
  • ポリエチレンや壁紙など使用できない素材や場所がある
  • 両面テープも片面タイプと同様に非常に強力
  • 透明なクリアタイプはガラスなど美観を重視する箇所に最適
  • 壁紙から剥がす際は弱い温風でより慎重な作業が求められる
  • 剥がし跡のベタベタには中性洗剤や消しゴムが有効
  • 頑固な糊残りには専用のシール剥がし剤が最も効果的
  • 溶剤やアルコールを使用する際は必ず目立たない場所で試す
  • 釣り糸やテグスを使えば粘着剤を切り離すように剥がせる
  • ゴリラテープは剥がすことを前提とした製品ではないことを理解する



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